ヒスイ(翡翠)

● 硬玉と軟玉の違い ● ヒスイのフォルスネーム

硬玉(ジェダイト)
硬玉(ジェダイト)
軟玉(ネフライト)
軟玉(ネフライト)
ラベンダー翡翠
ラベンダー・ヒスイ

コバルト翡翠
コバルト・ヒスイ
キツネ石
キツネ石
日高翡翠
日高ヒスイ

 ヒスイは東洋の宝石と呼ばれ、日本や中国では古くから珍重されている宝石です。国内では5月の誕生石の1つに選定されています。しかし、西洋では宝石として取り扱われていません。
 ヒスイは漢字では翡翠と書きます。「翡」はカワセミのオスの意味で、「翠」はメスの意味です。宝石名は、カワセミの美しい緑の羽に色彩が似ていることに因んでいます。ヒスイは緑色のイメージが強い宝石ですが、他の色彩のもの(ラベンダー・ヒスイコバルト・ヒスイなど)も存在します。
 ヒスイの英語名はジェード(Jade)といいます。その名称はスペイン語から生まれました。スペイン人は、中南米に進出した際、インディオが暖めたヒスイをカイロとして腰に当てていることを知りました。そして、ヒスイを本国へ持ち帰りました。スペイン語の Piedra de hijade (腰の石の意)が、ジェードの語源であると考えられています。

「ヒスイと呼ばれる石の種類」
 ヒスイと呼ばれている宝石は一種類ではなく、複数の種類が存在し、多くの誤解を招いています。その原因は、ジェードをヒスイ(翡翠)と訳したことです。ジェードは狭い意味では硬玉と軟玉を意味しますが、広い意味では緑色の石の総称としても使用されています。西洋ではヒスイは宝石と見なされていないので、この様な使われ方をするのでしょう。これに対し、我が国では硬玉のみをヒスイと呼ぶ人が多くなっています。ヒスイを採取している人々の間では、ヒスイによく似た石はキツネ石と呼ばれ、本物と区別されています。ただし、北海道の日高地方で産出したクロム透輝石は硬さと美しさを兼ね備えているので、日高ヒスイ(日高翡翠)の名前で呼ばれることが特別に認められています。この様なヒスイに対する認識の差が混乱を招いているようです。ここでは、ヒスイという宝石名の使われ方を整理しておきましょう。
 まず、正式なヒスイとして取り扱われているものには硬玉(ジェダイト)軟玉(ネフライト)の2種類が存在します(参照:硬玉と軟玉の違い)。硬玉はヒスイ輝石と呼ばれる輝石の一種であり、軟玉は透閃石アクチノ閃石の中間の成分を持つ角閃石の一種です。どちらも緑色で半透明あるいは不透明の緻密な石であるため、1863年までは同じ種類の石に分類されていました。宝石としての価値は、硬玉に比べて、軟玉は著しく低くなっています。購入時には注意が必要です。両者を明白に区別するために、硬玉は本ヒスイ本翡翠)、あるいは、インペリアル・ヒスイと呼ぶことが多くなっています。
 次に、硬玉と軟玉以外の緑色の石をヒスイ(翡翠)と呼ぶことがあります。例えば、インド翡翠はインド産のヒスイではなく、アベンチュリン(緑色の石英の塊)です。宝石業界では、この様な名称をフォルスネーム(false name:誤称)と呼びます。軟玉よりも硬度が低く、安価なものも含まれているので、ヒスイのフォルスネームに気を付けてください。

パワーストーン
 ヒスイは、不死、純粋、忍耐、知識、慈悲、正義、道徳を象徴する石です。災いから身を守ってくれるでしょう。

ヒスイ(翡翠) (裸石) ● ヒスイ(翡翠) (指輪) ●ヒスイ(翡翠)(原石)

ヒスイ輝石(本ヒスイ)(国産原石標本) ●ヒスイ(翡翠)


Copyright (C) 1996-2009 iStone. All Rights Reserved.|ホームサイトマップ