衝突角れき岩

衝突角礫岩

Gardnos, Hallingdal, Norway

 今から約6億5000万年前に、直径200mの巨大な隕石が落下し、巨大なクレーター(直径5km、深さ700m)が誕生した時に、この標本は形成されました。白い部分は片麻岩(花崗岩が高圧変成した岩石)で、古い大陸地域の定型的な岩石です。隕石の衝突時に破壊され、角張った小石(れき)になった片麻岩が堆積して固まったのが、この岩石です。よって、衝突角れき岩と呼ばれています。
 巨大な隕石の落下は地球に大きな影響を与えます。生物(例えば恐竜)の絶滅の原因(テクタイト参照)となることもあります。落下地点にはクレーターが出現(キャニオン・ディアブロ隕石参照)します。その際、凄まじい衝撃と熱が発生し、地表の岩石には隕石落下の痕跡が残ります。衝撃で破壊された岩石が堆積したものが衝突角れき岩です。また、高温で溶けた地表部の岩石が上空で急冷したものがテクタイトです。

コラム「隕石に観る衝突の痕跡」
 衝突は太陽系の様々な場所で発生しています。惑星や衛星の表面にある多数のクレーターは衝突の痕跡であり、隕石にも衝突の痕跡が残っているものが多数あります。下に展示している隕石はその典型で、角れき岩の構造をしていることが良く分かります。
 この月隕石は月の高地(白い部分)から飛来してきました。月面には多数のクレーターが存在し、隕石の衝突が多く発生したことを示しています。その痕跡は月隕石にも残っています。また、アポロが持ち帰った月の高地の石のほとんどが角れき岩でした。
 カポエタ隕石は小惑星ベスタから飛来したと考えられている隕石グループ(HED隕石)の一種です。この隕石は、小惑星の地殻部分と考えられる隕石と、マントル部分と考えらっれる隕石が混ざった構成を示しています(カポエタ隕石参照)。隕石のふるさとは小惑星帯と考えられています(ビランガ隕石参照)が、地球軌道に向かうようになる原因は小惑星同士の衝突と考えられています。

月隕石

カポエタ隕石

月隕石

ホワルダイト
月の高地の石 小惑星ベスタ(?)の石

写真提供&購入先:RA Langheinrich Meteorites & Fossils

月隕石


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