キャニオン・ディアブロ隕石

オクタヘドライト(氓`)
キャニオン・ディアブロ隕石
Canyon Diablo, Coconino County, Arizona, U.S.A.

1891年発見、価格(1グラム):¥100

 アリゾナの観光名所のひとつ、バリンジャー・クレーター(直径:1200m。写真が下にあります。)を形成したのが、このキャニオン・ディアブロ隕石である。隕石はクレーターの内ではなく、外側(隕石孔から5km以内の場所)で発見された。これは隕石が低角度で地面に衝突したためである。回収量は、30トン以上。鉄ニッケル合金と硫化鉄を主成分とするが、衝突時の衝撃で生成されたダイヤモンドも含まれている。ところで、バリンジャーとは鉱山技師の名前である。彼は隕石孔の底に100万トン以上の鉄の固まり等が埋まっていると考え、60万ドル(20世紀初頭の金額)の巨費を投じて穴を掘り続けた。しかし、発見には至らなかった。

バリンジャー・クレーター
バリンジャー・クレーター

コラム「クレーターの形成」
 バリンジャーが穴を掘り続けていた頃(20世紀初め)、多くの地質学者は巨大隕石の衝突によるクレーター形成説に反対だった。もし隕石が斜めに地面に衝突すれば、形成されるクレーターの形は、だ円になるはずなのに、クレーターは円形である。これが隕石衝突説の問題点だと主張した。しかし、実際は、だ円になるはずという思いこみが間違っていた。隕石の衝突を模擬実験で再現してみると、衝突角度に関わらず、形成されるクレーターの形は円形になることが判明した。原因は、衝突地点から発生する衝撃波が、クレーターの形成に関わっているためである。また、衝突の瞬間、隕石の持っていた運動エネルギーが熱エネルギーに代わって、隕石本体は蒸発して爆発してしまうため、地面をだ円形に削ることはないのである。

ほんもの隕石観察セット ●隕石標本 ● 隕石標本2  ● 隕石標本3


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