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宝石とは

「宝石の定義と条件」

 宝石とは人を飾るために加工された価値のある鉱物です。現在、約4,000種類の鉱物が発見されていますが、一般的な宝石に利用されている鉱物(鉱物グループ)の数は30程度にすぎません。宝石に加工される鉱物には、次の3つの条件が求められています。

  (1) 色彩、透明度、光沢、模様などが優れていて美しい。

  (2) キズがつきにくく、丈夫で、美しさを保つ耐久性がある。

  (3) 産出量が少なく、入手が困難で、希少価値がある。

 美しさという価値観は主観的なものであり、個人や人種によって異なっています。ヒスイ(翡翠)は日本と中国で人気の宝石ですが、西洋ではただの石として取り扱われています。ブラジルでは、アメシストは人気が低いので、加熱処理を行って、シトリンに変えています。
 宝石の耐久性を表す指標として硬度が使われています。砂ぼこりに含まれている鉱物で、最も硬度が大きいのは水晶(石英)(モース硬度計で7)です。よって、硬度6以下の宝石は取り扱いに注意が必要です。光(紫外線)の影響で退色する鉱物も、宝石には不向きです。使用する際には、色彩を濃くする処理が施されています。
 美しくて耐久性のある鉱物は宝石として利用することが出来ますが、存在量が多いと宝石としての価値は低くなります。そのため、量産が可能な合成宝石(人工宝石)は、天然宝石よりも価格が安くなっています。

「宝石の分類」
 宝石は、天然の鉱物を使用した天然宝石と、合成した鉱物を使用した合成宝石(人工宝石)と、それから、見かけがよく似たガラスなどを使用した模倣宝石(イミテーション)に分けることが出来ます。模倣宝石を天然宝石として販売するのは明かな犯罪です。合成宝石を天然宝石として販売することも罪なのですが、宝石の合成技術が進歩し、区別が困難になっています。宝石の原産地でさえ、合成宝石が天然宝石と偽って、販売されているそうです。
 宝石という呼び名を厳格に使う人もいます。宝石としての価値が高いものだけを宝石と呼び、やや価値が低いものは貴石、かなり価値が低いものは飾り石と呼ぶことがあります。人によっては、この3つのグレードを、貴石、半貴石、飾り石と呼びます。宝石を3つのグレードで分類する方法は、基準が不明確なので、あまり意味はないと思います。参考程度に知っておいてください。

宝石の図鑑と書籍


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