アメシスト

化学式:SiO2

和名:紫水晶(むらさきすいしょう) 英名:Amethyst(アメシスト)
結晶系 劈開 硬度 比重 光沢 条痕色
三方晶系 なし 7 2.7 ガラス

 アメシストアメジストは発音間違い)は魅惑的なの紫色をしている水晶です。宝石名はギリシャ神話に登場する少女の名前に由来します。日本では紫色は一番高貴な色とされていたため、アメシストを所有することが出来たのは位の高い人だけでした。現在では2月の誕生石に指定され、比較的安値で購入できる宝石です。西洋では、アメシストのグラスでワインを飲むと悪酔いしないと信じられています。

アメシスト(ウルグアイ産)の原石

アメシスト(カザフスタン産)の原石

アメシスト(メキシコ産)の原石

Artigas, Uruguay

Preozersk City, Karaganda
Oblast, Kazakhstan

Vigas, Vera Cruz, Mexico

 アメシストの紫色の原因は、水晶を構成するケイ素の一部が鉄に入れ代わり、鉄を取り囲む酸素の1つの電子が天然放射線によって損失していることだと考えられています。このような電子分布状態(カラーセンターといいます)になった水晶を光が通過する際、光の一部(黄緑色の光)が水晶に吸収されるようになり、水晶に吸収されずに通過できる光の色は紫に変化します。アメシストを加熱すると紫色から黄色へ変色しますが、カラーセンターが失われるからです。また、アメシストに日光や蛍光灯を長時間当てると色があせるのも、紫外線の影響でカラーセンターが失われるからです。

コラム「アメシストの語源」
 アメシストの語源とされているギリシャ神話を紹介しましょう。
 ある日、酒の神デュオニュソスは、ふざけて、最初に出合った人間を家来のピューマに襲わせることにしました。運悪く最初に出会ったのがアメシストという名の少女でした。彼女は月の女神アルテミスの所へ行くところでした。少女の危機を知ったアルテミスは、ピューマの牙から彼女を守るために、少女の体を硬い大理石に変えてしまいました。大理石になった少女を見た酒の神デュオニュソスは悪いことをしたと反省し、大理石にブドウ酒をかけてやりました。すると、大理石は紫色の宝石に変化しました。
 アメシスト(紫水晶)のグラスでワインを飲むと悪酔いしないと、西洋では信じられています。また、アメシストには酒に強くなる力がある石と言われています。科学的な根拠はありませんが、心理的な影響はあると思います。色がワイン(赤ワイン)と似ているので、アメシストのグラスに注がれたワインの量は実際よりも多いように見えます。無意識のうちに飲む量を制限していることが、悪酔いを避けてくれる理由ではないでしょうか。

パワーストーン「アメシストの意味」
 アメシストは、深い愛、幸福、誠実、勇気判断力、夢を与えてくれる石です。キリスト教では、神聖さの象徴とされ、『司教の石』と呼ばれています。日本や中国でも、高貴な色の石とされています。

アメシスト ●アメシスト
アメシスト (裸石) ●アメシスト(原石標本等) ● アメシスト (原石等)


Copyright (C) 1996-2009 iStone. All Rights Reserved.|ホームサイトマップ