シルビン(カリ岩塩)

化学式:KCl

シルビン(カリ岩塩)
Saskatoon, Saskatchewan, Canada

 シルビンはカリウム(K)と塩素(Cl)で構成されているハロゲン化鉱物です。シルビンはカリウムの原料として利用されています。鉱物名は Sylvius (オランダの学者)ゆかりの化学物質に因んだ命名です。シルビンには岩塩(NaCl)と類似する性質があるので、カリ岩塩とも呼ばれています。シルビンと岩塩は海水などが蒸発して形成されました。そのため、同様の産状を有します。しかし、シルビンの存在量はかなり少量です。これは海水中の両元素の濃度(ナトリウム:1.1%、カリウム:0.04%)の違いに起因しています。シルビンの本来の色彩は無色です。この標本には赤鉄鉱が含まれているため、赤色を呈しています。

コラム「にがりとシルビン」
 海水から食塩を生成するには、塩化ナトリウムを結晶化させて抽出します。その際、取り残された余分な物質(粉末または液体)がにがりです。にがりの主成分は塩化マグネシウムですが、塩化カリウム(2番目に多い成分です)も多く含まれています。つまり、シルビンは、にがりの成分の1つです。シルビンは海水が蒸発して生じす。すると、にがりの主成分である塩化マグネシウムからなる鉱物が共存することが考えられます。しかし、塩化マグネシウムは、大気中の水分と反応して、容易に溶けてしまいます(この様な現象を潮解と呼びます)。そのため、塩化マグネシウムの多くが、シルビンから流出し、失われてしまいます。

にがり


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