断層水晶

断層水晶
Second Soviet Mine, Dal'negorsk, Primorskiy, Russia

 結晶の下方に、「へ」の字の溝が存在する水晶です。断層水晶(断層のある水晶)という呼び名は、多数の溝が断層のように見えることに因んでいます。産状(断層のあるところで発見されたとか)や成因(地震発生時に溝が形成されたとか)とは無関係です。じゃばら(古いカメラのレンズと本体の間にある接合部で、多数の溝がある部分)に似ているので、私はじゃばら水晶と呼んでいます。

コラム「納得して、購入しましょう」
 この標本を標本販売会で見つけた時、店主が不在でした。購入しましたが、呼び名の由来や産状などは分からないままでした。それから約1年後に店主と合うことができ、説明を受けることができました。呼び名は地質学的な断層とは無関係であり、ただ模様(多数の溝)が断層に似ていることに由来しているそうです。また、溝の原因は不明であり、断層模様のある水晶はロシアの第2ソビエト鉱山の一部でしか採れないそうです。名前に付けられた断層の意味を、考えさせられた一年でした。溝の成因は、ゆっくりと考えたいと思います。
 珍しい標本も、意味が分からないと、十分に楽しむことはできません。精神衛生上も、好ましくありません。皆さんも、購入時には気を付けてください。

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