縞状鉄鉱層(BIF)

縞状鉄鉱層

BIF

Hamersley, Western Australia, Australia

Itabira, Minas Gerais, Brazil

 縞状鉄鉱層(Banded Iron Formation、略してBIF)は、鉄鉱物に富む薄い層(黒色の層)と石英分に富む薄い層(茶色の層)が相互に層を成している堆積岩である。主な鉄鉱物は赤鉄鉱(Fe2O3)で、主な石英分はチャートである。鉄資源の90%以上はBIFから採取されている。
 赤鉄鉱が形成されるには鉄が酸化されなければならない。これらの標本が形成された約25〜20億年前ごろが、BIF形成の最大期であった。そのころの海中にはシアノバクテリアが出現して、光合成によって海中に酸素を放出していた。この酸素が鉄を酸化したと考えられる。しかし、BIFの規則的な縞模様の起源はまだ解明されていない。つまり、なにが原因で赤鉄鉱の形成がオンオフするのか解明されていないのである。さらに、BIFはイスアの地層(約38億年前の地層)からも発見されている。イスアのBIFの赤鉄鉱はどのように形成したのであろう。シアノバクテリアの出現は、現在考えられている約25〜27億年前よりも古いとする仮説があるが、証拠はまだ発見されていない。
 BIFの形成は約17億年前に、ほぼ終了した。これは海水中の鉄が少なくなったためである。鉄と結びつけなくなった酸素は、海水中から大気中へと出ていくようになり、酸素を主成分とする地球大気が形成されていった。

縞状鉄鉱層 (原石)


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