アパタイト(リン灰石)

フローロ・アパタイト(フッ素リン灰石)
Ca5(PO4)3F
アパタイト アパタイト2
Cerro del Mercado, Durango, Mexico Capim Grosso, Bahia, Brazil

クローロ・アパタイト(塩素リン灰石) リン灰石ボール
Ca5(PO4)3Cl Ca5(PO4,CO3)3(OH,F)
塩素リン灰石 リン灰石ボール
神奈川県 足柄上郡 山北町 玄倉 Kamenets-Podoliskii, Ukraine

 アパタイト(日本名:リン灰石)は、リン(P)とカルシウム(Ca)を主成分とする5種類の燐酸塩鉱物(下表を参照)を理想的な成分とする鉱物グループの名称です。しかし、多くの場合、最も豊富に存在するフローロ・アパタイトフッ素リン灰石)の呼び名(鉱物名)としても使われているので、注意してください。アパタイトは、昔、別の宝石(アクアマリンなど)と間違えられていました。名称はギリシャ語のapatas(惑わすの意)に由来しています。
 フローロ・アパタイトの本来の色は無色か白色ですが、リンとカルシウムの一部が別の元素と入れ替わることにより、多彩に変化します。ここでは黄色と緑青色の結晶を展示しました。左側の標本は外観からアスパラガス・ストーンとも呼ばれています。フッ素の代わりに水酸基(OH)を含んだのがハイドロキシ・アパタイト水酸リン灰石)で、生物の骨や歯の主成分です。歯磨き粉に使用されて有名になりました。塩素を含んだクローロ・アパタイト塩素リン灰石)は希少な鉱物です。
 右側の標本は球状のリン灰土(リン灰石結晶の集合体)で、リン灰石ボールと呼ばれています。カーボネイト・フローロ・アパタイト炭酸炭酸リン灰石)とカーボネイト・ハイドロキシ・アパタイト炭酸水酸リン灰石)が主成分ですが、鉄分が不純物として含まれています。表面が黒褐色なのは鉄分が原因です。リン灰石ボールは堆積岩中に産出することから、海水や淡水からの沈殿物であったと考えられています。

鉱物名 化学式
フローロ・アパタイト(フッ素リン灰石) Ca5(PO4)3F
ハイドロキシ・アパタイト(水酸リン灰石) Ca5(PO4)3OH
クローロ・アパタイト(塩素リン灰石) Ca5(PO4)3Cl
カーボネイト・フローロ・アパタイト(炭酸炭酸リン灰石) Ca5(PO4,CO3)3F
カーボネイト・ハイドロキシ・アパタイト(炭酸水酸リン灰石) Ca5(PO4,CO3)3OH

アパタイト (裸石) ● アパタイト (原石等) ●アパタイト
リン灰石(国産原石標本等) ●リン灰石(外国産原石標本等)


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